マレーシアの非居住者は賃貸所得にどれくらい課税されますか?
日本に住みながらマレーシアの物件を貸している場合、マレーシア国内で発生する賃貸所得には一律30%の税率が適用されます。これは2020年課税年度(YA2020)以降の非居住者個人向けレートで、個人控除やリベート、居住者向けの累進税率は一切適用されません。ただし課税対象は総賃料(グロス)ではなく、認められた経費を差し引いた後の純賃貸所得(ネット)です。
多くの海外オーナーがここでつまずきます。「非居住者だから一律30%」という理解自体は正しいのですが、それを総賃料にそのままかけてしまうケースが後を絶ちません。実際には、LHDN(内国歳入庁)が認める経費——ローン利息、評価税、修繕費など——を先に差し引き、残った純額に対してのみ30%がかかります。この差は税額に直結するため、経費の記録管理が非居住者オーナーにとって最大のレバレッジになります。
非居住者かどうかは国籍やパスポートではなく、その課税年度中にマレーシアに物理的に何日滞在したかで判定されます。日本で生活・就労しながらクアラルンプールのコンドミニアムを賃貸に出している場合、通常は非居住者に該当します。判定は個別事情によって変わるため、申告前にマレーシアのライセンス税理士(tax agent)に確認することをおすすめします。
SPEEDHOMEのようなプラットフォームを通じて賃貸運営を管理すると、家賃の入金記録・修繕承認・契約書類が一つの場所に残ります。日本にいながら経費の証跡を毎年再構築する必要がなく、これは非居住者オーナーにとって税務対応そのものを軽くする副次的な利点です。
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30%という税率はどこから来ていますか?
LHDNが公表する非居住者個人向けの所得税率表で、「Rents(賃貸所得)」区分は2020課税年度以降、一律30%と定められています。これは段階制ではなく単一の固定レートで、居住者が使う累進税率表とは別立てです。
| 質問 | 非居住者個人オーナーへの回答 |
|---|---|
| 適用される税率は? | 純賃貸所得に対して一律30% |
| いつから? | 2020課税年度(YA2020)以降 |
| 総賃料か純賃料か? | 純賃料——LHDN Public Ruling 12/2018に基づく控除後 |
| 個人控除はある? | なし |
| 累進税率帯はある? | なし——固定レート |
| 賃貸損失を他の所得と相殺できる? | 原則不可(投資所得としての扱い) |
| 根拠 | LHDN 非居住者個人所得税率表 |
なお、物件を個人名義ではなくマレーシアの会社(Sdn Bhd)名義で保有している場合は扱いが異なり、非居住者会社は個人の30%ではなく通常の法人税率が適用されます。所有形態によって分析が変わるため、法人名義での保有を検討している場合は税理士に構造を確認してください。
控除できる経費にはどのようなものがありますか?
通常の住宅賃貸(Section 4(d)扱い)では、賃貸所得を得るために直接必要な経費がLHDNの控除対象になります。評価税・クイットレント、物件購入ローンの利息、火災保険料、家賃回収・督促費用、契約更新や次の入居者募集にかかる費用(更新時の仲介手数料を含む)、そして現状維持のための通常修繕費です。
一方で、控除できない支出も明確に存在します。最初の入居者を得るための広告費、最初の賃貸借契約書作成の法務費用、印紙税、最初の入居者募集にかかる仲介手数料は「初期費用(initial expense)」として扱われ、控除対象外です。またローンの元本返済分も資本的支出であり控除できません——控除できるのは利息部分のみです。
| 項目 | 控除できるか |
|---|---|
| 評価税・クイットレント | できる |
| ローンの利息(元本を除く) | できる |
| 火災保険料 | できる |
| 通常の修繕費(現状維持) | できる |
| 更新時の仲介手数料 | できる |
| 最初の入居者募集の広告費 | できない(初期費用) |
| 最初の契約の印紙税・法務費用 | できない(初期費用) |
| 最初の入居者募集の仲介手数料 | できない(初期費用) |
| ローンの元本返済分 | できない(資本的支出) |
申告はどのような流れで進めますか?
まず経費の一覧を作り、純賃貸所得の額を確定させたうえで、MyTax(mytax.hasil.gov.my)を通じて正しい様式で期限内に申告します。総賃料のまま申告してしまうと非居住者オーナーは毎年払いすぎることになり、逆に期限を過ぎるとペナルティが加算されます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 居住者判定の確認 | 課税年度中のマレーシア滞在日数を確認し、税理士に相談 |
| 2. 家賃の入金記録を集める | 銀行明細、賃貸借契約書、家賃台帳 |
| 3. 控除項目を整理する | 評価税・クイットレント、ローン利息明細、火災保険、修繕請求書、更新手数料 |
| 4. 純賃貸所得を計算する | 総賃料 − 認められた控除 |
| 5. 30%を適用する | 純賃貸所得 × 30% |
| 6. MyTaxで申告する | mytax.hasil.gov.myから該当様式を提出(税理士が代行することも多い) |
| 7. CP500との差額を精算する | 予定納税(CP500)を払っていれば最終税額と相殺 |
| 8. 記録を7年間保管する | 物件・年度ごとの書類一式 |
日本にいながら現地の修繕業者から紙の請求書を受け取ったり、評価税の通知書を郵便受けから回収したりするのは現実的ではありません。ここがまさに、管理型プラットフォームの記録が役立つ場面です。家賃の入金履歴、修繕の承認メッセージ、契約書類が一つのワークフローに残っていれば、税務申告の時期に慌てて再構築する必要がなくなります。
印紙税やSSTは非居住者オーナーにも関係しますか?
賃貸借契約書の印紙税は非居住者・居住者を問わず同じ扱いです。2026年1月以降はMyTax上のe-Duti Setemで電子処理する仕組みに変わっており、旧STAMPSポータルは使いません。一方、住宅の賃貸そのものはサービス税(SST)の対象外なので、通常の住宅オーナーは家賃にSSTを課しません。
印紙税は2024年度予算法(Finance Act 2024)に基づき、契約期間に応じてRM250の年間賃料あたりRM1/RM3/RM5/RM7の段階制です。2025年1月に、年間賃料RM2,400までの旧免税枠は撤廃されているため、少額の賃料でも印紙税が発生する前提で予算を組んでください。
住宅賃貸(アパート、コンドミニアム、テラスハウス、サービスアパートメントなど)はサービス税の対象外です。商業用・非住宅の賃貸サービスには2026年1月から6%のサービス税が適用されますが、これは年間課税対象売上高がRM150万を超える事業者にのみ課されるもので、通常の住宅オーナーには関係しません。
| 項目 | 非居住者オーナーへの適用 |
|---|---|
| 契約書の印紙税 | 適用される(Finance Act 2024の段階制税率) |
| 印紙税の申告先 | e-Duti Setem(mytax.hasil.gov.my)、旧STAMPSポータルは不可 |
| 住宅賃貸へのSST課税 | 対象外 |
| SST登録が必要になる基準 | 年間課税対象売上高RM150万(商業・非住宅の賃貸のみ) |
SPEEDHOMEのプランはこの税務対応にどう役立ちますか?
SPEEDHOMEを通じた賃貸運営では、契約書類・家賃の入金記録・修繕の承認履歴が一つの場所に残ります。これは非居住者オーナーが毎年の控除項目を裏付ける書類を揃えるうえで、そのまま使える記録になります。
SPEEDHOMEのZero Deposit(零押金)は、入居者が敷金相当の現金を用意せずに入居できる管理型の賃貸リスクシステムであり、金融保証商品ではありません。オーナー側は保険ではなく賃貸保護の仕組みで守られます。全戸が対象になるわけではないため、対象可否はライブ物件情報で確認してください。
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よくある質問
非居住者は総賃料と純賃料のどちらに30%課税されますか?
純賃料です。LHDN Public Ruling No. 12/2018に基づく認められた控除——評価税・クイットレント、ローン利息、火災保険、家賃回収費用、更新時の仲介手数料、通常修繕費——を差し引いた後の金額に一律30%が適用されます。総賃料のまま申告すると、すでに支出した控除対象経費にまで課税されることになります。
非居住者かどうかはどう判定されますか?
国籍やパスポートではなく、その課税年度中のマレーシア滞在日数で判定されます。日本で生活・就労しながらマレーシアの物件を賃貸に出している場合、通常は非居住者に該当します。税率差が大きいため、申告前に必ず税理士に確認してください。
非居住者オーナーは個人控除を使えますか?
使えません。非居住者は個人控除・リベート・累進税率帯のいずれも対象外です。唯一活用できるのは、認められた経費を控除してから30%を適用できる点です。したがって経費の記録管理が税額を下げる最大の手段になります。
賃貸借契約書の印紙税はどう変わりましたか?
2026年1月から、印紙税の申告はMyTax上のe-Duti Setemで電子処理されるようになり、旧STAMPSポータルは使用できません。税率はFinance Act 2024の段階制(RM250の年間賃料あたりRM1/RM3/RM5/RM7)で、2025年1月に撤廃された旧RM2,400免税枠はもう適用されません。
住宅の賃貸収入にSSTはかかりますか?
かかりません。住宅(アパート、コンドミニアム、テラスハウス、サービスアパートメントなど)の賃貸はサービス税の対象外です。SSTが関係するのは商業用・非住宅の賃貸サービスで、2026年1月から6%、年間課税対象売上高RM150万超の事業者に限られます。
SPEEDHOMEを使うと非居住者の税務申告が楽になりますか?
SPEEDHOMEは税理士の代わりにはなりませんが、家賃入金・修繕承認・契約書類を一元管理する記録は、控除項目の裏付け資料としてそのまま使えます。日本にいながら毎年の証跡を一から再構築する必要が減る、という実務上のメリットがあります。
